数か月前に偶然Twitter上で「自殺は個人の自由だ」とか「辛かったら逃げれば良いのに」とか、
自殺する人を非難するものを見つけた。なんだか、もどかしい議論だった。
私自身、その人と同じように非難するような意見の時期もあって、
今は自分の理解出来るレベルでしか物事を考えていなかったからということが分かり、その頃の自分をとても恥ずかしく思ったりもする。それは自分の中でちゃんと考える機会を与えられたからだ。
2017年12月K-POPアイドルの訃報
2017年12月、好きなK-POPアイドルが自殺で亡くなってしまった。
「そろそろ新曲出るかな。」なんて、のんきな気持ちでいた時に訃報を知る。
死を知ってしばらくは「嘘でしょ?」しか出てこず、一晩眠れば、行き過ぎた報道で危ない状態は回避してるんじゃないか。と思いたかった。
だけど、朝になったら、やっぱりその事は変わらない事実で。
それからしばらく、自分でもこの気持ちがどうしたらいいのか、暗くて苦しくて、 疑問ばかりが私の中でぐるぐる回った。
「どうして、それを選んでしまったの?」
私にも生きるのが辛くて、このまま溶けてなくなってしまったらいいのに。とか思ったことはある。
だけど、自分で凶器を買って、自分で死に場所を選び、自分で実行するなんて
想像を絶する。
「あんなに周りに人が多くて、輝いている人が何故なの?」
「誰一人、彼を引き留める存在になりえなかっただろうか?」
「どうして誰も救うことが出来なかったのか?」
「どんな思いだったの?」
「どうして自殺を選んでしまったの?」
もし私の近くにも心を病んでしまった人がいたら、私は救えず後悔することになるのだろうか?
だって、あんなに沢山の人に囲まれている人さえ、彼の心の内を誰も救えずにいたのだ。
そんな時に「自殺という病」(著書・佐々木 信幸)という本を見つけた。そもそも、「神・時間術」という本が店頭に並んでいた精神科医の樺沢紫苑先生が
「自殺者を減らしたい」ということをミッションにしているというのを偶然知って
検索して出てきたのがこの本だった。
タイトルに少し救われた気がした。
「自分で死を選んだんじゃない、がん等の病と一緒で、病によって亡くなったのだ。」と言ってくれるような気がして。
本を読みだして早々に、その気持ちは、そのまま救われることになる。
自殺は、「機能停止寸前のポンコツ・コンピューターが出した答え」
「自殺にとりつかれた人間はいくら医学的な知識を持っていたとしても無力になってしまい、自力で防ぐことは不可」そんな言葉を見つける。
この本には、「自殺の原因」「自殺者の心理」「自殺予兆と発見と対処」「精神科ではどのような治療を受けるか」という事が記載されている。
読み進めると本の内容に書いてあることと、彼の性格やライブ配信などで言っていたことと一致していて、その心をそのまま理解が出来るわけではないけど、
彼の気持ちはこのように自殺へと進んでしまったのかと想像出来た。
◆ 自殺の原因 ◆
自殺の原因は1つではなく複数になる。
イメージで言うとリュックを背負って歩いているところに、様々な原因のオモリが、一つ、また一つと積みあがって耐えきれなくなり、リュックを持てなくなり、放り出すことになる。
自殺の原因の例として15の項目が記載してあり気になるものがいくつか。
「日照時間」
日光を浴びないとセロトニンの分泌がされなくなり、それにより「うつ病」につながる。
インスタなんかでのライブ配信、、最後のほう、いつも暗闇ばっかりだったな。しかも最近外に出てないって言ってたな、、、
「メランコリー親和型性格」
秩序を重んじ、何事においても完璧主義、責任感も強く、対人関係についても細やかな配慮が出来る性格。このような人は、テストで95点をとったとしても「あと、1問で100点だったのに、失敗だ」とストレスを抱えてしまいます。
彼はこの性格そのままじゃないか。。。いつもメンバーのことを配慮した言動、トークでも見ている人が楽しめるように自分でしっかり笑いのポイントや、オチまでちゃんと計算してしゃべっている。
◆ 自殺者の心理 ◆
二分思考⇒否定思考⇒分かってもらえない孤独感⇒人生からの退出
メランコリー親和型性格でも書いた、完璧主義者は「完璧ではないと失敗」と思ってしまう。これが「二分思考」
その結果、やることなすこと全て「失敗」となり、「自分は何をやっても全て上手くいかない」と自己嫌悪、無力感、無価値感を強めてしまい、「否定思考」になってしまう。
これは、脳内でセロトニンが不足するとこういった考え方になってしまうようだ。
また、この否定思考は自殺危険の高い人に共通する認知障のパターンで
自分のことを相談しても無駄と感じさせ「私を助けてくれる人は誰もいない。」と感思ってしまう。相談しても回答が完璧ではない限り、二分思考により「相談したのは失敗だった」と思ってしまう。
そして、「何をやっても上手くいかない」「助けてくれる人は誰もいない」などの気持ちが高まってくると、無力感・無価値感から「人生からの退出したい」感情に支配されてしまう。
つらかっただろうな、、、、、。何も出来ない。
◆ 発見するには ◆
当人は「誰かに相談しても無駄」と思っている。回答が完璧ではないと「相談しなければよかった」と思う。じゃあ、どうすればいいか。
発見するために
「ほのめかし」に気付く事、
《家庭の場合》
・最近食事量が極端に減った
・夜、ぐっすりと眠っていない
・「疲れた」「疲れやすい」と言うことが多くなった
・以前は大好きだった趣味の活動をほとんどしなくなった
・夫婦生活がなくなった
《職場》
・最近だらしなくなった、整理整頓、服装、髪形などの身だしなみ
・遅刻や時間に遅れる事が多くなった
・休憩している時間が多くなった
・ケアレス・ミス、単純なミスが多くなった
・大切な用件をど忘れすることが多くなった
・飲酒量が多くなった
いつもと違う、ほんの少しの違和感に気付くこと。
じゃあ、発見したらどうしたらいい??
◆ 対処 ◆
「気持ちを受け止めてあげる」「精神科受診へつなげる」
自殺の予備状態にいる重症の方でも精神科での治療を開始して3ヶ月ほどで
予備状態は抜けるようです。 だけど、まずこのドス黒い大きな闇の嵐のような気持ちを受け止めて気持ちを楽にしてあげること。
受け止めるには話を聞くだけ。だけど重要な注意点が何点か。
・感情的な反応はしない、頼れる存在であること
・原因は追求しない、気付いてあげられなかったと自分を責めるのもしない
・アドバイス、助言はしない
・説得、励ましもしない
・論理ではなく、その人の苦しい気持ちの理解をする
“ 受け止めてあげること ”
この注意を守らないと「相談しなきゃ良かった。誰も理解してくれない。誰も頼れない。」と思ってしまいます。下手したらいっそうに自殺願望を強めてしまいます。
だけど、何の知識もなく身近な人が「自殺したいんだ」なんて告白したら、されたほうもパニックになってしまうよね。。。
さっき警察庁のホームページで昨年(2018)の自殺者調べたら20,598人だった。
悲しい事にこんなにも多くいるんだったら、ほんの少しの知識として学ぶ機会あってもいいのに、と思う。
◆ 精神科への受診を勧める ◆
精神科受診をしたくない方もやっぱり多くいるそう。
そんな時は頭ごなしに言うのではなく、不眠、全身倦怠感、疲労感などの
「体の不調を見てもらいましょう」など身体症状を引き合いに出す。
それでも行きたくないという場合は、「最近疲れやすいみたいだから内科で診てもらったらいいんじゃない?」等、いったん内科の受診をお勧めする。
内科でうつ病の症状が顕著であれば精神科への受診を医師から勧められます。この場合は精神科を併設している総合病院を選びましょう。
◆ 最後に ◆
この本と著者に大きな感謝。
悲しみが消えたわけではないけど「どうしてなの?」のぐるぐる思うことから抜けられました。もし身近に同じことで苦しんでいる人がいたら助けれるかもしれない知識を得られました。ありがとうございます。
この本の内容を、気持ちに余裕がある人、人を思う余裕がある人に
可能なら多くの人に知ってもらいたいと願ってしまいました。
暗い内容の中、稚拙な文章の中、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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